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ラベンハムと毎シーズンタッグを組み、コラボレーションを実施している日本ファクトリーブランド「Jackman(ジャックマン)」。異なるルーツを持つ2つのブランドは、どこに共鳴し合うのか――。
今回は、ジャックマンのブランド創設当初から携わり、ロンドンで店舗マネジメントや営業も担っていた中西 正史さんにお話を伺いました。
まずはジャックマンというブランドと、中西さんのお仕事について教えてください。
「ジャックマン」は、1949年創業の「タナベメリヤス」を母体とするファクトリーブランドです。長年スポーツウェアの製造を手がけてきましたが、「腕のいい職人さんが沢山いるので、面白いものがつくれるはず」との思いから、2011年にブランドとしてのジャックマンが誕生しました。
僕自身はその立ち上げから日本国内のショップへの営業を担当してきました。ありがたいことに取引先でも好評をいただき、もっとブランドの魅力を広めたいと、海外営業にも挑戦することに。最初は出張ベースでしたが、2020年にオープンしたロンドン店のマネジメントとUKをベースに欧州や北米の卸営業を担当するため、2022年から約3年間駐在しました。
ジャックマンがロンドンに出店することになった背景を教えてください。
ジャックマンは、ラベンハムやフレッドペリーと同じグループ会社に属しています。その縁もあって、フレッドペリーの社長や会長が日頃からジャックマンの店舗や製品を見てくださっていました。彼らが「こんなに素晴らしい日本のブランドなら、UKでも展開してほしい」と後押ししてくれ、まずは期間限定のポップアップとして出店。すると予想以上に反響があり、常設店を構えることになりました。
コロナが落ち着いたこともあり、2022年以降は右肩上がりで売上も伸びていきましたね。
現地のお客さんの反応で、印象的だったことはありますか?
UKでは、日本よりもベーシックなものを好む人が多い印象です。ジャックマンの服は、ベーシックさの中にも日本製ならではのディテールがある。例えばポケットにほんの少しマチがついていたり、さりげない部分にひと手間かかっていて、そうした細やかなこだわりは現地で喜ばれましたね。
日本と海外で共通して評価されるのは、「生地」と「縫製技術」の2つ。例えば「DOTSUME」と呼ばれるTシャツは昔から使われている古い編み機でつくられていて、一般的な生地の約2倍の糸を詰めて編まれています。そのため、生地がとても固く分厚い。「こんな生地、見たことない」と、まずは素材に驚いてもらえるんです。そして実際に着ていく中で、縫製によるほつれにくさや丈夫さも実感してもらえる。そうやってリピーターが増えて口コミで広がるという、いい流れができてきました。
ロンドンのオフィスでは、ラベンハムチームとの交流はありましたか?
ロンドンのオフィスでは、ラベンハムやジョージコックスのチームと同じ部屋で仕事をしていました。お互いのお客さんを紹介し合ったり、ブランドは違っても一緒に頑張っている雰囲気がありました。パブに行ったり、
スポーツをしたりと仕事以外でも交流がありました。
ご家族も一緒にロンドンに渡られたそうですが、現地での生活はいかがでしたか?
住んでいたのは自然の多いウエストロンドンで、写真を見てもらうとわかるんですが、毎日家の前の落ち葉の量に驚かされていました。少し車を走らせれば王立植物園「キューガーデン」があり、規模がとにかく大きくて、メンテナンスも素晴らしい。年間パスもそんなに高くないので、家族のお気に入りでした。
ラベンハムのファクトリーにも行かれたそうですが、どんな印象を受けましたか?
ノリッジというイングランド東部の街に営業に行くことになり、その途中にラベンハムのファクトリーがあるので、立ち寄ることにしたんです。少しだけのつもりでしたが、工場長のニッキーがすごく歓迎してくれて、全部の工程を丁寧に案内してくれました。
驚いたのは、チェック工程の多さ。ほぼすべての工程で細かく検品されていて、「こんなところまでチェックをするのか」と感心しましたね。もうひとつ印象的だったのは、60代後半の女性スタッフが現役で働かれていたこと。30年以上勤めているそうで、ジャックマンでもベテランの職人さんを大切にしているので、重なるところを感じました。
ジャックマンとラベンハム、ものづくりの面で共鳴している部分はありますか?
やはり、どちらも歴史ある自社工場を持っているという点ですね。タナベメリヤスの時代から70年以上続くジャックマンの工場は1949年創業、そこからスポーツウェアメーカーとしての「ジャックマン」が始まったのが1967年。「ラベンハム」が生まれたのは1969年なので、年代的にもかなり近いですよね。
場所は離れていますが、それぞれが地元に根ざした自社工場での生産を守り続け、地域の雇用を大切にする姿勢には、共通点を強く感じます。ちなみに、日本ではラベンハムは“上品”なイメージが強いんじゃないかと思いますが、イギリスではより“質実剛健”という印象で捉えられているように感じました。
中西さんご自身のファッションについてもお聞かせください。
今日はラベンハムの「スタッド フロント ボンバー ジレ」を着用いただいていますが、お気に入りのポイントはありますか?
この“ボンバー襟”が好きなんです。襟にリブがあると、マフラーがなくてもあたたかい。ロンドンは天気がよくても風が冷たかったりするので、そんな気候にもぴったりでした。内側にポケットが4ついているので、財布などを入れても安心。旅行の時にも便利です。
どんなコーディネートで楽しんでいますか?
ジャックマンでは、ベースボールシャツをイメージしたカラーレスジャケットを毎シーズンつくっているんですが、それを重ねると、ジレのリブ襟がちょうどよく見えてバランスがいいんです。下に着ているのは、秋冬新作のロンT。袖にはちゃんとリブが付いているんですが細めなので、インナーとしても1枚でも活躍します。
今回は、スコットランドの「ハリー・スティーヴンソン」の生地を使った「カートン ジレ」のコーディネートも披露していただきました。こちらの着こなしについても教えてください。
どちらも綿100%なので、素材同士の相性はいいですよね。ジレは中綿が入ってないものですが、着るとやっぱりあたたかいし、中綿がない分かさばらないのでバッグに入れて持ち運ぶにも便利。上に重ねたジャケットは「テンピジャケット」というんですが、その名前の通り、ひとりの職人さんが丁寧に天日干ししているんです。通常のタンブラー乾燥では出せない、個体ごとの独特の表情が魅力ですね。
Tシャツはアメリカ産のコットン製。乾燥地帯で育った綿って、着心地もカラッとしていて気持ちがいいんです。キルティングのポケットはラベンハムのもので、イギリスで仕立てられた生地がジャックマンの工場に届けられ、Tシャツの胸元にポケットとして縫い付けられます。
【Jackman(ジャックマン)】
1964年東京オリンピックで日本選手団のトレーニングウェアを提供するなど、高い技術で戦後のスポーツウェアを支えてきた福井県の自社工場「タナベメリヤス」。その技術と精神を受け継ぎ、2011年に誕生した「ジャックマン」は、ファクトリーブランドとして独自のアパレルを展開。クラシックな雰囲気と現代的な実用性を兼ね備えたデザインと、老舗ならではの確かな品質で支持される。
- 公式ウェブサイト:https://www.jackman.jp/
- Instagram:jackman_official
中西 正史
2011年の「ジャックマン」立ち上げより全国営業を担当し、ブランドの普及に尽力。2022年に渡英し、2年10ヶ月にわたり現地で店舗マネジメントと卸営業に従事。現在は東京本社でブランドのさらなる発展に取り組む。
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