ラベンハムのクリエイティブを統括する、横塚氏へのインタビュー

ラベンハムのクリエイティブを統括する、横塚氏へのインタビュー

ラベンハムのヘッドオブクリエイティブ(クリエイティブ統括)、横塚和幸はセントラル・セント・マーチンズで学びその後、マーガレット・ハウエルやフレッドペリーなどの英国ブランドでデザイン職を経て、現在は家族と東京に住んでいます。

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自己紹介をお願いします。

横塚和幸、年齢は48歳です。ラベンハムのクリエイティブ統括をしています。

ラベンハムとの出会いは?

ラベンハムのことは、ここで働く前から知っていました。日本ではとても人気がありますし、主にビジネスマンのフォーマルなアウターウェアとして知名度が高いことからとても伝統的なブランドというイメージが強くありました。
ラベンハムで働くずっと前に、私はイギリスでリサーチをしていたのですが、その時のラベンハムとの出会いをとても鮮明に覚えています。
当時、新興エリアだったロンドン東部のレッドチャーチ・ストリートで、典型的なイギリス人の男性が、スキニーパンツにドクターマーチンの8ホールブーツを履き、ラベンハムのジャケットを着ているのを見かけました。彼のスタイルはとても印象的で、私のラベンハムに対するイメージはそれ以来すっかり変わってしまいました。ラベンハムに入社したのはそれから何年も後のことですが、あの男性のイメージは今でも忘れられませんし、ラベンハムというブランドに対する私の見方がどのように変わったかも覚えています。

ラベンハムの伝統とどう関わっていますか?

伝統のあるブランドの扉はとても重く、時には物事を変えるために強く押し出さなければならないこともあります。その必要がないこともあるし、時には過去のものを維持することもあります。私は決して過去のものを壊そうとはしません。今のラベンハムも、過去に作られたものとつながる同じルート上にいると信じているし、そのラインを常に尊重するつもりです。だから私はいつもラベンハムのアーカイブに戻ります。

私は自分をラベンハムの「デザイナー」ではなく、「エディター」だと思っています。すべての伝統的なブランドはすでに素晴らしい製品を持っています。私は常に、過去に作られたものに手を加えて編集し、より快適になるように調整することを心がけています。私はいつも『ファクトリーファースト』と言っていますが、私たちはファクトリーブランドであり、英国でモノづくりをしている数少ないブランドのひとつです。それはラベンハムが生き残るためにとても重要なことだと思います。

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ラベンハムで過ごしたことはありますか?

イギリスを訪れた際は、私はいつもサフォークでの滞在を楽しんでいます。ラベンハムは英国最後の偉大な工場のひとつで、ラベンハム村はとてもユニークです。

あなたと自然との関係は?

自然は自分を見つめ直し、心と体を整えてくれる場所です。

インスピレーションの源はどこにあるのでしょうか?

初めに歴史、キャラクター、文章を考えます。最近は図書館によく行きます。

あなたとラベンハムのチームにとって、コラボレーションとはどのようなものですか?

お互いを尊重し合うこと。

アウターウェアのファッション状況はどのように変化しているのでしょうか?

私たちはよく "Fit for purpose(目的を適える) "という言葉を使います。ファッション・トレンドは依然として存在しますが、より日常生活に適した製品を作る必要性があると思います。ラベンハムは、最初のホースラグから、それを目的としてきました。進化するニーズに合わせて微調整できる要素は常にあり、それは大きな変化というよりはむしろ小さな変化であることが多いと思います。私たちはあらゆる場面で、より良いものを目指しています。

ラベンハムのお気に入りのディテールは?

サフォークの工場で生産している自社製のキルティング生地です。

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ラベンハムの未来はどうなるのか?

それはわかりません。AW24コレクションを終えたばかりですが、私自身はバトンのようなものです。ラベンハムのエディターであり、ブランドの理念を伝えるバトンであると思っています。ラベンハムには50年の歴史があり、もう50年生き残る為に、この伝統を維持し、未来にバトンを渡すのは私の役目です。未来はバトンです!

コロナ禍が落ち着き始めた昨年、私は3年ぶりにサフォークを訪れました。故郷に帰ってきたような、少しノスタルジックな気分になったのを覚えています。

ラベンハム村の曲がった家の写真をインスタグラムで見つけました。その写真は少し青み掛かっていましたが、サフォークに戻ったときに感じたこととリンクしていました。それから私は、ラベンハムの歴史を紐解く作業を始めました。幸運なことに、ラベンハムの工場には、これまで見ることのなかったアーカイブのサンプルや古い広告が保管されていたのです。
私の仕事はイノベーションではなく、ラベンハムの歴史を伝え、現在に合うように製品を微調整することだと信じています。

私の仕事はイノベーションではなく、ラベンハムの歴史を伝え、現在に合うように製品を微調整すること。

-横塚和幸

今シーズンのジャケットにインスピレーションを与えたラベンハムの伝統的なホースラグ柄の魅力は何ですか?

イサム・ノグチの『AKARI』にも似た、オリジナルのハンドクラフト製品ならではの温かみを感じるところです。

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1970年代のデザインのどこに惹かれますか?

デザインだけでなく、当時起こっていた様々なムーブメントからも間接的に影響を受けています。

図柄を大きくしたキルティングパターンをデザインする上での課題はどのようなものだったのでしょうか?

課題は、ラベンハムを象徴するデザインのひとつである2インチのダイヤモンド・キルトのパターンを壊さずにアップデートすることでした。そのためには、中綿をよりボリュームのあるものに変える必要があり、これらをラベンハムの技術力と組み合わせることで、これまでにないアイテムが誕生しました。

90年代に大きなパフジャケットを持っていましたか?

残念ながら持っていませんでした。当時はカムデンマーケットで買った古着のロング丈のコートを着ていました。

ラベンハムのモノクロ写真のアーカイブの中で、お気に入りの画像は何ですか?

モノクロ写真ではないと思いますが、昔のラベンハムの広告の白黒写真のコピーが好きです。

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パッチワークのデザインは、余った素材を新しい機能的な作品に変えます。あなたは日本の「ぼろ」の芸術からインスパイアを受けましたか?

いいえ。ラベンハムのアイテムは、まるで真っ白なキャンバスのように見えることがあります。すべては、ラベンハムの工場内で見つけたさまざまな要素を取り入れたいというアイデアから始まりました。原点に戻り、何を変え、何を洗練させることができるかを考えることは、私のアプローチの鍵であり、ラベンハムで常に行われてきたことです。それが私たちが理解している”Being Better”(より良くする)という事です。

1年の半分が暗くなる季節になりましたが、光はあなたのデザインプロセスにどのような影響を与えますか?

私にとって、光は暖かさを意味します。軽くて暖かいアイテム作りを追求するには良い時期です。

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